ほのかにアートな東京ライフ。都内でわさわさ働くまりもの日記。趣味は海洋生物、フランス系芸術、音楽、写真。Copyrigt-©lamusique All Rights Reserved. lamusique@excite.co.jp


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追憶

写真の整理をしながら、昔懐かしい日々を笑い、首をかしげ、呆れてからしばし感傷にひたった。学生時代にとにかく楽しめとばかりに過ごした時間は、断片的なイメージとして手元に残されている。こんな時間もあった。あの人はどうしているのだろう。しかし私はえらく金のかかった服装をしてるな。親のおかげだ。それにしてもこれがすべてだったろうか。ここにない瞬間は、もはや一生をかけても思い出せないのかもしない。

せっかくなので、今部屋にある写真たてから『素敵』というそれだけで鎮座していた良く知らない土地のイメージ写真をとりはずし、自分の思い出を飾ろうと、あまたある写真の中から選別を始めた。

選んだのは、イヴ・サン・ローラン最後のデフィレを垣間見たポンピドゥーセンター前の広場の写真と、ソルボンヌで学友だったクレシュニケ達と一緒に撮った写真。前者はただそこにある風景を切り取ったもの、後者はみな一様に寝起きのボサボサ髪で、ソフィ家のベッドの上で数人そろって笑っている、いわば何の変哲もない写真だ。確かクレシュニケが帰国する朝の写真で、みなが寂しがる中、彼女だけは郷里にいるボーイフレンドに会える!と嬉々としていたのを思い出した。そう思って写真をみなおしてみると、なんだか彼女だけムンムンと色っぽいようにも見えてくる。←おっさん思考

クレシュニケとは毎日ともに学校に通った。同じ講義を選択することが多く、つまらない授業の時にはノートのはしっこでメモのやりとりをして遊ぶ。食事は学食ですませるのだが、イスラム教徒で豚が食べれない彼女に気を使って私も魚か牛肉を選択することになるのだが、ある日「豚は一度もたべたことないの?」と聞くと、「あるの。うふ。」と言われて、ニヤリと笑ってしまった。

イヴ・サン・ローランは私にとってパリの象徴だ。彼が衣服を通して創り出す壮大な空間芸術にはいつも胸がときめいた。留学中に彼の引退が発表された時はひどく悲しくて、その日の新聞をすぐに買いにいったし、最後のデフィレを近くで見たくて何のツテもないのにポンピドゥーセンターまで出向いた。すると嬉しいことに、広場に設置された大スクリーン2台はデフィレを中継しているじゃないの!会場入り口の真っ赤な絨毯を縁取るようにして強烈なストロボライトが並び、各界の著名人がひっきりなしに通る様を必死でとらえていて、遠めながら大統領とソニア・リキエルの三角おかっぱだけはこの目で確認できた。デフィレ終了後、すぐそばのカフェで小型PCを用いて記事を執筆するエディターをみたときには、私は絶対にファッションエディターになるんだ!などと心に決めたものだが、それから数年後にはなぜかお堅い分野の文屋になり、以来カタメの分野から足を洗えないのだから人生って分からない。

まだまだ短い私の半生、お金をかけたお洒落をして、ひどく華やかなパーティに出ずっぱりだった頃もあったけど、思い返してみていとおしいのは、写真として飾りたかったのは、ただやみくもに学んだ時間、何かを吸収しようと脳みそを全開にしていた時なんだなあ、などととりとめもない事を思いつつ、写真たてのツメを一つずつ閉じ、本棚の上に静かにおいた。


すみません。人の思い出話なんてつまらんものです(^^;)。
今日も雨。曇天。
こちらの梅雨明けはまだしばらく先になりそうです。

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『追憶のかなたに』
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by lamusique | 2009-07-21 20:11 | 写真